性奴隷契約・騙され堕とされて… 葵こはる
作品データ
作品紹介
一枚の紙切れ。そこにボールペンで名前を、確か二箇所書き入れただけだった。難しそうな専門用語の羅列。とにかく印字されていた文字が小さ過ぎた。こはるは読み始めてまもなく文章から意味を汲み取るのを諦め、ただ時面（じずら）だけを追っていた。流れる文字、薄れて行く意識。由美チーフのことだ、しっかりとした契約書なのだろう。誤解がとんでもない悲劇を招く。こはるは他人が信じられなくなっていたはずだった。父の会社が傾き、母はやんごとなき事情で家を出た。
今思えば納得するが、バイト先の由美さんはこはるに何故か優しかった。家の借金はかなりの額だった。由美チーフが言った「ねえ。相談に乗ろうか。もっとお金稼がなくちゃならないんでしょ。」契約書。「確か悪魔に魂を売り渡す時も何か書くんだっけ？」こはるがそんな事を頭の隅で思っていた時、こはるの心が崩れた。由美が紹介した男は「人」ではなかった。由美さえも。煉獄。終わりは見えなかった。次々に犯され、からだ中の粘膜が擦り切れ、懇願の言葉すら思い浮かばなくなった。どこまでも堕ちていくこはる。行き先は淫闇。
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